それまでと、それから
出会った世界を破壊する前に、俺たち二人はロジャーに相談した。
この世界も俺たちがいた世界も詳しいロジャーに相談したほうが、何かわかるだろうと思ったからだ。元の世界の状況や何やら、年号とか生まれ年、その他よくわからないことを聞かれながらそれぞれの世界のことを話した。(この時点で俺は頭が痛くなった)
話をしていて分かったことは3人とも元いた世界は同じ歴史を進んでいること、ロジャーは俺のこともアリスのことも知っていて、俺もロジャーのことを知っていたけど、アリスはロジャーとはこの世界で会うのが初めてだった。
そうすると少なくともロジャーは俺たちとは違う俺たちのいる世界にいたらしく、俺とアリスは同じ世界の可能性が残っているとのことだった。
そこまで話して、俺が頭を抱えたものだから、茶菓子とコーヒーで一息いれる。よく知る苦みに脳みそがすっきりしたところで、ロジャーが口を開いた。
「私の家に来てくださるのが一番良さそうですね。たとえ二人の世界が異なっていても、ウルの世界に私は確実にいるのですからお二人をつなぐ手伝いはできるはずです。ウルは場所を知っていますが
アリスには詳しい場所をお教えしましょう。まあ、他にほとんど何もないような場所ですからですからスグに分かるとは思いますが…今日はここまでにしましょう、いろいろ考え込んで疲れたでしょう、特にウルは。」
うっせ、とぼやきつつも正直知恵熱が出そうだったので助かった。その時ふと、ロジャーのいた世界の俺たちはどんな感じなのか気になった。
「なあロジャー、ロジャーの世界の俺たちっておんなじ感じなの?」
「 …そうですね、二人は私の世界でも恋仲だったんですよ。」
俺はなんだかとてもうれしくなってにやにやしたが、ロジャーは少し寂しそうだった。
一面に広がる海を見ながら、はやる気持ちを胸に手を当て落ち着かせようとする。あまり効果がなくて、思わずため息をつく。
ゼペットおじさまと元の世界にたどり着いた私は、早速ウェールズへ向かった。おじさまは途中まで一緒に来てくれたのだけど、「若い二人の邪魔をすると怒られてしまうからのう。暫くこの町で公演でもして待っているから、焦らずに待つと良い。」という言葉に甘えて、近くの町で一旦お別れをした。
初めて会ったこの世界のロジャーは、とても、とても驚いていたけれどすぐに状況を飲み込んでくれた。あちらの世界で出会ったロジャーと全く同じなのに、私を知らないロジャー。あの世界で出会ったロジャーはこんな不思議な気持ちだったのかしら?と聞けない問いが頭に浮かんだ
「今日明日来るかはわかりませんので、ここに泊まってくださいな。折角なのでロマンチックな再会にしたいですね!ウーン…ロマンチック。…そうです!海!この家の先の廃墟のそばにいてください!ウルが来たら誘導しましょう!こんな時ぐらいしかウルを驚かせられませんからね!!」
思いついた小さな悪戯にニコニコするロジャーをみて、やっぱり二人の関係は変わらないんだわ。となんだか安心してしまった。私も思わず笑顔になって、悪戯に賛同してこうして海を見ているのだ。
繰り返す波の音、キラキラと輝く水面、草のざわめき。今までも美しいと思っていた世界が、より輝きを増しているように感じる。まだ会えるかわからない、そうだとしても気持ちを強く持っていられるのは、あの時の約束があるから。心に強く、強くウルの存在を感じる。大丈夫、何も怖くない。
駆けて来る足音に、思考が現実に引き戻される。
とたんに胸の鼓動が乱れる。長丁場を覚悟していたせいか体が緊張して、音の方向へ振り向きたいのにうまく体が動かない。息が、詰まってしまう。落ち着かなくちゃ、今私はどんな顔をしているのだろう、落ち着かないと、でも、ああ。感情が止まらない。
それは、その近づいてくる足音は。
14.09.27
おまけをつけます!といったのになにも用意してなかった7年前の自分ぼんやりとした案のみではありますが残っていたので、骨組こつこつ肉付けこねこね。
実際のカオスウォーズのエンディングでは各世界の住人がどうなったのか全く描かれていないので好き放題です。ウェーイ!!
ロジャーだけ世界が違うというのはゲーム上の会話から確認が取れるのですが、ロジャーのいた世界がどんなものだったのかはわからないのですよね。なので我々の知るSHの世界なのだという形にしてみました。せめて、この二人はという私のわがままもロジャーの気持ちに込めて。
